毛氏書童王文祥

行書(ぎょうしょ)

清平楽  六盤山   1935年10月

 

天高雲淡

望断南飛雁

不到長城非好漢

屈指行程二万

 

六盤山上高峯

紅旗漫捲西風

今日長缨  在手

何時縛住蒼龍

 

[日本語版]

せいへいがく ろくばんざん

清平楽      六盤山   1935年10月

 

てんたか  くもあわ

天高く  雲淡し

まなここらしきゆるまでみぬ みにみ と がん

望     断       南に 飛ぶ雁

ちょうじょう いた     おとこ あら

長城に   到らざれば 好漢に非ずとよ

ゆび お   こうてい にまん

指を屈れば 行程  二万(里)

 

ろくばんざんじょう    たか  みね

六盤山上         高き 峯

こうき        ま    せいふう

紅旗  しきりに捲かる 西風に

こんにち なが  つな て  あ

今日    長き    手に在り

いずれ   そうりゅう しば

何の時か 蒼龍を   縛り上げん

 

 

  どこまでも高く青く澄みわたり、白雲が鳥の羽根のように軽く一つ二つ浮かんでいる、その空を雁の列が南へ飛ぶ。

 われわれはまだまだ北進するのだ。長城へ着かないうちに落伍

するようなやつは、男じゃないぞ。それにしても指おり数えれば、二万里も踏破してきたのだなあ。 

 六盤山の高い峯に、先発隊の赤旗が、西風に翻っている。

 今や、昔の武将が敵を降参させるときに使った長 はわれわれ赤軍の手にある。巨大な龍を縛り上げて、歴史を大きく変えるのはいつの日のことであろうか。